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お取引先の方、ご購入頂いた方に向けてお送りしております。
Spomenikの山下です。
ヨーグルトを買って、何故か冷凍庫に入れてしまった。
解凍したら見事に成分が分離してしまったので、
キッチンペーパーで水分を漉して酸味のあるチーズっぽいものにしてみた。
そこに桃を切って、蜂蜜、オリーブオイル、塩胡椒。
仕上げにアールグレイの茶葉を振りかけたら、
桃のアールグレイカプレーゼもどきが完成した。
何を隠そう、私は料理が好きというより、美味しいものが好きなんです。
美味しいものって、簡単に人を幸せにしてくれるじゃないですか。
そういうシンプルな幸せの積み重ねがないと、
荒れた日常と上手くバランスが取れないので、
できるだけ美味しいものを食べて、自分を甘やかしている。
何事もバランスって難しく考えがちだけど、
ある程度自分のスタイルが確立すると、案外どうにでもなるものだと思っている。
だからこそ、自分が何を好きなのかを知っておく必要がある。
とはいえ、自分と向き合うのって本当に面倒なので、後回しにしがちだ。
でも、好きなものが分からなければ、その反対でもいい。
嫌いなもの。
やりたくないこと。
やる必要のないこと。
そういうものを一つずつ考えていくだけで、
自分を形成する輪郭は少しずつ見えてくる気がする。

ということで、Spomenikにも「やらないこと」がたくさんある。
ボトムス以外は作らない。
型数を必要以上に増やさない。
意味のないデザインはしない。
トレンドは追わない。
ブランドを形成する上で、自分たちなりの枠を決めている。
もしここから大きく逸脱した時は、
「あ、このブランド魂売ったな。」と思ってもらってもいい。笑
もう一つ、自分の中で服を世に出すか出さないかの基準がある。
それは、作れるから作るのではなく、残したいと思えたものだけを作ること。
というのも、着なくなっても手元に置いておきたい服があることを知っているから。
私自身も、「もう着ないけど、手放したくない」という理由だけで
残している服がたくさんもっっている。
もちろんブランドへの思い入れもあるけれど、一番は、
歳を重ねた時にもう一度袖を通す自分を想像すると、少し幸せな気持ちになれるから。
逆に、お客様の手を離れたSpomenikが、
何年か後にセカンドストリートに並んでいたとして、
ディグっている誰かの手が止まり、「何だこのブランドは。」
そう思ってもらえたら、それもまた一つの理想だったりする。
その時代を越えて残るだけの覇気を纏わせることが、私たちの仕事だと思っている。
以前、パリでワインを扱っている友人と話した時のことだ。
「ワインは熟成すると価値が上がるのに、
ファッションは時間が経つほど価値が下がりますよね。」そんな話になった。
ファッションは流行があり、常に新しさを求められるものだから、
ある意味では生ものだ。
でも、その会話をきっかけに、自分たちの価値について改めて考えるようになった。
私たちが目指したいのは、土づくりから時間をかけて向き合うワインのようなものづくりだ。
ルールを守り、限られた環境の中で自然と向き合い、
作り手の意思や時間までも価値へと変えていく。
そんなふうに、時間が経っても誰かの中に残り続ける服を作っていけたらと思っている。
作ることより、作らないことの方が、そのブランドらしさは表れる。
つまりメッシみたいに、基本は歩いていていいし、
ここぞという時だけ全力で走ればいいのか。
服も、人も、それくらいが案外ちょうどいいのかもしれない。
早速ワールドカップのトレンドに乗ってしまった。。